プロジェクトを実施しているのは、福生市民有志らからなる「福生を元気にする協議会」(会員約150人)と「メディアタウン商店会」(約30店)。
同駅東口には旧赤線街の印象が残る上、スプレーの落書きが所々に点在していた。これ以上落書きを増やさず、街のイメージ向上につながる策はないか。そんな時に浮上したのが、街全体を一つの美術館に見立て、アートで埋めるキャンパスプロジェクトだった。
提案した協議会と商店会の会長を務める草道智彦さん(52)は、「絵を見ながら街を散策する楽しみができれば、福生を訪れてくれる人も増えると思う」と期待を寄せる。
川崎市のアーティストSEISUI(本名・嵯峨成一)さん(36)は、福生市のクラブやバーでの即興の絵描きショーが話題を呼んでおり、プロジェクトへの参加要請にも「お世話になっている福生に作品を残せるチャンス」と快諾した。インド料理店の壁に、Tシャツをまくりあげ、入れ墨を見せている男性の絵を完成させた。
同市には外国人居住者が多い。同駅東口には、バーや居酒屋が集まり、ライブハウスもある。こうしたことから、「多国籍」と「音楽」をキーワードに、SEISUIさんは「福生の街にふさわしい、パンクやロックの雰囲気を醸し出した」と説明する。
ほかにも2か所で、別のアーティストの手で大木とキノコの絵などが完成した。アーティストたちは材料費のみで協力している。
協議会では知人らを通して、毎月5人ほどに制作を頼み、絵を約60点まで増やす予定。また、同商店会加盟の店などに地図を置き、絵がある場所を案内する。
協議会は、プロジェクトに参加するアーティストや協賛企業を募集している。また、同時に実施している清掃活動への参加も呼びかけている。問い合わせは同協議会((電)042・513・4317)へ。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyotama/news/20101229-OYT8T00809.htm